最終更新日 2005年09月19日
◆「絵ものがたり散歩道」D
「夏の森」
絵と文 大嶽 隆
7月25日から8月24日
夏の森は
晴れていると
その中は
光と影の
ゆりかご みたい。
雲がおおうと
海の中に
いるみたい。
雨が降ると
木の幹が
顔を洗って
目を覚ます。
嵐が来ると
枝が踊って
葉っぱが泳ぐ。
嵐が去ると
鳥が歌う
セミが歌う
そして、地面が歌う。
夕日に染まると
生きものたちの
「ただいまー」と
「いってきまーす」が
聞こえてきそう。
月が昇ると
静かで賑やかな
空気が満ち溢れる。
朝露をまとうと
道ばたのしずくに
足を止められ
目をうばわれる。
みんなで来ると
緑の屋根が
仲間たちを
つないでくれる。
二人だけで来ると
その森が
思い出に姿を変えて
また芽吹く。
1人きりで来ると
森は
心を映す
鏡になる。
とても暑い
それでも
やっぱり
ありがたい。
だって・・・
命がキラキラ
あふれている。
そのキラキラが
寄り集まって
できているのが
夏の森だから。
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