最終更新日 2005年09月19日

「絵ものがたり散歩道」D

「夏の森」

絵と文  大嶽 隆

7月25日から8月24日

 
 
 

夏の森は

晴れていると

その中は

光と影の

ゆりかご みたい。

 

 
 

 
 
夏の森を

雲がおおうと

海の中に

いるみたい。

 
夏の森に

雨が降ると

木の幹が

顔を洗って

目を覚ます。

 

 
 

 
 
夏の森に

嵐が来ると

枝が踊って

葉っぱが泳ぐ。

 
夏の森から

嵐が去ると

鳥が歌う

セミが歌う

そして、地面が歌う。

 

 
 

 
 
夏の森が

夕日に染まると

生きものたちの

「ただいまー」と

「いってきまーす」が

聞こえてきそう。

 
夏の森に

月が昇ると

静かで賑やかな

空気が満ち溢れる。

 

 
 

 
 
夏の森が

朝露をまとうと

道ばたのしずくに

足を止められ

目をうばわれる。

 
夏の森に

みんなで来ると

緑の屋根が

仲間たちを

つないでくれる。

 

 
 

 
 
夏の森に

二人だけで来ると

その森が

思い出に姿を変えて

また芽吹く。

 
夏の森に

1人きりで来ると

森は

心を映す

鏡になる。

 

 
 

 
 
夏は 森でも暑い

とても暑い

それでも

やっぱり

ありがたい。

だって・・・

 
だって 夏は

命がキラキラ

あふれている。

そのキラキラが

寄り集まって

できているのが

夏の森だから。

 

 
 

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