自然観察雑記帳> > 菌類 >きのこ >解説@/用語解説

自然観察雑記帳/サイト内検索
きのこ・解説@/用語解説
 きのこ・解説A/図解はこちら
あ行
アミロイド(あみろいど amyloid) ヨード(メルツァー試薬)による呈色反応の一つ。灰青色から暗紫色に着色する。
1菌糸型(いちきんしがた) 子実体や菌子束を作る菌糸が、原菌糸(分枝し薄膜で隔壁のある菌糸)のみの場合をいう。
円座(えんざ) ヒメツチグリ科の子実体で、孔縁盤の基部にある円形の凹部。菌の種類によって不明瞭なこともある。
か行
外皮(がいひ) ツチグリ類の星型に裂開する部分やチャダイゴケ類のカップ部分をいう。
外被層(がいひそう) 子嚢菌類の子嚢盤の外側の層。
外被膜(がいひまく) ハラタケ類の若い子実体の全面を包む組織。膜状、綿毛状、繊維状、粉状などさまざまあり、子実体が生長すれば、柄の基部と傘の表面に破片が残ることが多い。つぼ。
管孔(かんこう) 胞子を生産する子実層が管状になって開口しているもの。イグチ類やサルノコシカケ類に見られる傘の下面にある多数の孔のこと。
環紋(かんもん) 傘の中央を中心にした環のような模様。
偽アミロイド(ぎ あみろいど pseudoamyloid) ヨード(メルツァー試薬)による呈色反応の一つ。赤褐色に着色する。
偽根(ぎこん) 柄の下部が根状に長く伸びたもの。
基部(きぶ) 根元のこと。
基本体(きほんたい) 腹菌類や一部の子嚢菌で胞子や胞子を作る細胞を含んだ組織全体のこと。グレバともいう。
菌核(きんかく) 菌糸が密集して塊状になり、一時休眠状態になったもの。後に子実体を発生するものと、菌核しか知られていないものとがある。
菌糸(きんし) 菌類の本体や子実体を構成する細胞の総称で、細い円柱形の細胞が一列につらなって微細な糸状を呈する。
菌糸束(きんしそく) 多数の菌糸が集まって糸状、ひも状、針金状となったもの。
菌輪(きんりん) 子実体が輪になって発生した様子のこと。フェアリーリングともいう。
グレバ(ぐれば) 腹菌類や一部の子嚢菌では、胞子や胞子を作る細胞を含んだ組織全体のこと。基本体ともいう。
群生(ぐんせい) 子実体が群れるように発生すること。
孔縁盤(こうえんばん) ヒメツチグリ科の内皮の頂部にある円錐形をした孔口部
孔口(こうこう) イグチ類やサルノコシカケ類における管孔の開口部で、ここから胞子が放出される。円形または角形。
溝線(こうせん) 傘などに見られる溝状にくぼんだ線。
さ行
材上生(ざいじょうせい) 材の上に発生するもの。木材腐朽菌がこれにあたる。
散生(さんせい) 子実体がばらばらに発生すること。
子座(しざ) 子嚢菌類で菌糸が密に集合して球形や棍棒状になり、その内部か表面に子嚢殻(子実体)を形成する器官。
子実層(しじつそう) 子実体(キノコ)が有性胞子を作るための細胞層。
子実層托(しじつそうたく) 子実層のできる部分。担子菌では「ひだ」「管孔」「針」など。
子実体(しじつたい) 菌類の胞子生産のための器官で一般に「キノコ」という。微小なものから直径1mに達するものまである。
シスチジア 担子菌類の子実体表面の各部(傘、ひだ、柄など)にある嚢状の細胞。形や大きさは多様。嚢状体ともいう。
子嚢菌(しのうきん) 有性胞子を子嚢という袋状の細胞の中に形成する菌類の総称。子実体を全く作らないものもある。
子嚢盤(しのうばん) 盤菌類の子実体で、皿状、椀状やそれらの変形、複合したものがある。窪んだ面に子実層が形成される。
小塊粒(しょうかいりゅう) チャダイゴケ類の菌に見られるもので、胞子形成後、子実層と胞子の充満する腔室を包み込んで周囲のグレバが軟骨化して生じる碁石(レンズ)状の器官。
重生(じゅうせい) 基質から側生する子実体が上下重なり合って多数発生する様。ちょうせい。
樹上生(じゅじょうせい) 樹上に発生するもの。木材腐朽菌がこれにあたり、材上生ともいう。
条線(じょうせん) 傘の周辺部にある放射状の線、または溝線。
しわひだ(しわひだ) 子実層托の一種。ひだの様な刃状ではなく、脈状〜しわ状でその表面に子実層を形成する。
髄状(ずいじょう) スポンジ状。
スービクル(subicle) 子嚢菌類の子実体基部に発達するクモの巣状、あるいは綿くず状などの菌糸体。
成菌(せいきん) 傘が開ききった状態のキノコ。
束生(そくせい) 子実体が束になって発生すること。
た行
(たく) スッポンタケ目の子実体で一部に粘液化したグレバを着け外部に露出する部分。柄状や腕状を呈する。
担子菌(たんしきん) 担子器で胞子をつくる菌類の総称。ハラタケ目などいわゆる「キノコ」と呼ばれるものの多くが含まれてる。
単生(たんせい) 子実体が一つずつ発生すること。
地上生(ちじょうせい) 地上に発生するもの。土壌中や腐植質、落葉などから養分を吸収するもののほか、菌根性のものもある。
中空(ちゅうくう) 子実体の柄が空洞になっている様。管状ともいう。
中心生(ちゅうしんせい) 子実体の柄が傘の中央に着くものをいう。
中実(ちゅうじつ) 子実体の柄の内部が充実した状態。
重生(ちょうせい) 基質から側生する子実体が上下重なり合って多数発生する様。じゅうせい。
つば(つば) ハラタケ類の若い子実体の子実層托を保護する組織。成熟過程で傘の縁部で切れて柄に付着したもの。内皮膜。
つぼ(つぼ) テングタケ類などの子実体は幼時外側を外被膜で包まれ卵形、これが成熟過程で破れて柄の基部に残ったもの。外被膜。
な行
内皮(ないひ) 腹菌類の基本体を包む一番内側の皮のこと。
内皮膜(ないひまく) ハラタケ類の若い子実体のひだ部や管孔部を保護する組織。生長すると破れて傘の周縁や柄の上に膜片を残すことが多い。つば。
(にく) 子実体の傘や柄の内部や子実層托以外の内部。
は行
背着生(はいちゃくせい) 傘を作らず重力方向と無関係に子実層を表面にして基質に張り付く様子。
(はり) 広義のハリタケ類に見られるような、傘の下面に多数針状に垂れ下がったもののこと。
非アミロイド(ひ あみろいど non-amyloid) ヨード(メルツァー試薬)による呈色反応の一つで陰性の場合。淡黄色または不着色。
ヒダ(ひだ) ハリタケ類の大部分において、傘の下面に放射状に配列した刃状のもののこと。その表面に子実層を形成する。
不変色(ふへんしょく) 子実体を切断したり傷つけても変色しないこと。
偏心生(へんしんせい) 子実体の柄が傘の中心より一方に片寄って着いた様。
胞子(ほうし) 生殖細胞の一種で、有性的に生じるものと無性的に生じるものとがある。
胞子紋(ほうしもん) 胞子が落下堆積してできる胞子の色による紋様。
ま行
マイクロメーター(micrometer、 μm) 1/1000ミリメーター。
脈絡(みゃくらく) ひだとひだとの間にある脈状の連なり。
無性基部(むせいきぶ) ホコリタケ科の子実体で基部にあり、胞子を作らない部分。
や・ら・わ行
幼菌(ようきん) 傘の開いていない蕾の状態の若いキノコ。
肋脈(ろくみゃく) アミガサタケ類頭部の陥没部を取り囲む隆起した線条。陥没部の表層に子実層がある。
 きのこ・解説A/図解  五十音順索引はこちら
写真帳へ   観察帳へ
 
 
 

戻る  表紙へ